喪中期間中の年末年始は、心のケアが重要です。悲しみを抱えつつも、故人を偲びながら静かに過ごす時期。家族や親しい人との時間を大切にし、心の平安を求める過ごし方が求められます。本記事では、喪中期間の年末年始をどのように迎えるべきか、その心構えと過ごし方を紹介します。
喪中はいつまで続く?喪中の期間と忌中との違い
喪中とは、故人の冥福を祈り、派手な行動は控える期間です。
一般的には、故人から二親等までの親族が喪中の対象となりますが、三親等の親族でも付き合いが深い場合には喪中とする場合もあります。
かつては明治時代の太政官布告により、喪中の期間は配偶者・父母・義父母が1年、子どもが3か月〜1年、兄弟姉妹・祖父母が3〜6か月と定められていましたが、それも昭和22年に廃止され、現在では亡くなってから1年という見方が一般的です。
ただし、二親等以内でも同居していない場合などは喪中にしないケースも増えています。しかし、喪中の期間は地域によって異なるため、くわしくは地元の習慣を確認しておくと安心です。一方で喪中と似た忌中という言葉がありますが、その期間や制限は異なります。
忌中は亡くなった直後から四十九日法要(神式では五十日祭)までの期間を指し、死の穢れが強い時期とされています。忌中期間中は、喪中よりも多くの制限が設けられていて、外出すらも控える傾向があります。忌中が終わると、喪中が始まり、喪中になると制限が比較的ゆるやかになります。
喪中期間中の年末年始の過ごし方
喪中の年末年始は、通常とは異なる過ごし方になります。
以下では年末年始に行ってはいけない過ごし方を解説していきます。
年末年始にしてもOKなこと
大掃除は行っても問題ありません。
掃除はお祝い事ではなく、気持ちよく新年を迎えるための準備の一環とされます。お歳暮も贈って問題ありませんが、のしは白無地を使用し、年が明けた場合は寒中見舞いとして贈るのが適切です。
除夜の鐘や年越しそばも喪中でも行ってよいとされています。除夜の鐘は煩悩を払うためのものであり、年越しそばは健康と長寿を願う意味が込められています。
年末年始に控えるべきこと
お正月飾りは控えるべきです。
神道では死を穢れと考えるため、お正月飾りを通じた年神様の来訪は避けます。新年の挨拶もおめでとうの言葉は使わずおはようございます。今年もよろしくお願いしますといった挨拶が望ましいです。また、おせち料理はお祝い事に関連するため、喪中では控えます。
ただし、お祝い事に関わらない料理であれば食べても問題ありません。お雑煮については、お正月の特別な料理としてではなく、普段の食事として楽しむのが正解です。また、初詣は神社よりもお寺を選ぶ方が無難ですが、参拝の可否は事前に確認すると安心です。
お年玉はお祝い事のひとつですがおめでとうのメッセージが書かれていない袋を使用するなど配慮すれば問題ありません。
喪中期間中に控えたほうがよいイベントとは
喪中期間は、故人を偲びつつ慎ましい生活を心がける大切な時期です。
喪中期間中に控えるべきイベントについての理解は、周囲への配慮として重要です。
結婚式への参加
喪中期間中はお祝い事には参加しないのが一般的なマナーです。
かつては、喪中の間の結婚式参加は避けるべきとされていましたが、最近では忌明け後であれば問題ないとされる可能性もあります。しかし、年配の方々は伝統を重んじる場合があるため、参加を希望する場合は新郎新婦に相談するのが賢明です。
もし欠席する場合は、喪中であることを前もって伝えるよりも、後日やむを得ない事情として欠席の理由を説明するのが礼儀です。
旅行
かつては喪中の遊興は避けるべきと考えられていましたが、近年では事前に計画していた旅行であれば参加してもよいという考えが一般的です。
ただし、派手な行動や贅沢な出費は控え、控えめに過ごすことが望ましいとされています。
神社への参拝
神道では死が穢れとされるため、喪中の人の神社への参拝は禁止されています。
一般的には忌中を過ぎれば参拝が可能とされていますが、地域や神社によって異なる場合もあります。
まとめ
喪中の年末年始は、故人を偲びつつ慎ましい生活が大切です。喪中は一般的に1年間とされ、忌中は亡くなってから四十九日までの短期間を指します。喪中期間中の年末年始は、控えるべき行事や行動が多く、なかなかいつもどおりに過ごせないかもしれませんが、故人への敬意を忘れずに慎ましい生活を心がけながら静かに新年を迎えましょう。