プロテスタントの葬儀とは？仏教やカトリックとの違い・マナーについて

キリスト教のなかでも、プロテスタント式の葬儀について紹介します。プロテスタントの葬儀は、柔軟性があり、信者以外の人の葬儀も行える点が特徴です。この記事では、プロテスタントの葬儀について、その作法やマナー、仏教やカトリックとの違いについて詳しく説明します。プロテスタントの葬儀を検討中の方はぜひ、最後までお読みください。

プロテスタントの葬儀とは？作法やマナーについて

まずは、プロテスタントの葬儀に参列する際に知っておきたい作法やマナーを紹介しましょう。

仏教やカトリックとの違いについてもお伝えします。

プロテスタントの葬儀の作法やマナー

プロテスタントの葬儀では、賛美歌が歌われます。

歌詞カードを手に取り、積極的に賛美歌に参加するのがよいマナーです。賛美歌は参列者全員で歌うことで、故人への感謝と祈りが表現されます。また、プロテスタントの葬儀では前向きな雰囲気が重要視されるため、お悔やみの言葉は不要とされています。

代わりに、故人を讃える言葉や思い出を共有することが奨励されます。このようなアプローチは、葬儀を明るく、希望に満ちたものにする役割を果たします。献花はプロテスタントの葬儀において重要な儀式のひとつです。

献花の際には、花を右手側から受け取り、祭壇に向けて献花台に置く際には時計回りに回転させるマナーがあります。この献花の儀式は、故人への最後の別れと敬意の表れとして行われます。

プロテスタントの葬儀に参列する際には、「御花料」と書かれた香典袋を用意することがよいマナーです。この香典袋は、故人の家族に対する支援と敬意の印として渡されます。

仏教との違い

プロテスタントの葬儀と仏教の葬儀にはいくつかの違いがあります。

まず、プロテスタントの葬儀には本来「通夜」の概念がないため、通夜の祈りや儀式は行われません。代わりに前夜式が行われ、賛美歌の歌唱、聖書の朗読、祈り、説教、感話が行われます。また、キリスト教の葬儀では会食が行われますが、お酒はふるまわれないのが一般的です。

カトリックとの違い

プロテスタントとカトリックの葬儀にはいくつかの違いがあります。

用語の違いは先に述べた通りですが、さらにカトリックの葬儀では「ミサ」が行われ、聖体拝領も含まれます。プロテスタントの葬儀では、神に祈りを捧げ、故人を讃えることが中心となります。

また、カトリックの葬儀では聖職者が特別な役割を果たし、カトリックの教義に基づいて儀式が進行します。

プロテスタントの葬儀の流れ

プロテスタントの葬儀の一般的な流れは以下の通りです。

臨終時の聖餐式

瀕死の瞬間、牧師が招かれ、病人にパンとワインを授け、祈りをささげます。そして、故人のくちびるに水をつける儀式が行われます。

納棺儀

短い祈りをささげ、牧師の立ち会いのもとで遺体を棺に納め、白い布や清らかな花々で飾りつけます。

聖書の一節を読み上げ、祈りを捧げ、最後に再び祈りが捧げられます。

前夜祭

牧師が招かれ、賛美歌の合唱、聖書の朗読、祈り、説教、証言が行われます。

最後に献花の儀式が行われ、思い出に花を捧げます。

告別式

告別式には、開式、聖書の朗読、説教、追悼の辞、祈祷、オルガン演奏、出棺の祈り、献花などが含まれます。

参列者が多い場合、献花の代わりに黙とうが行われる場合もあります。

火葬

火葬場で棺が飾りつけられ、牧師が聖書の一節を読み上げ、祈りをささげた後、火葬が行われます。

その後、お骨上げの儀式も行われます。

お別れの食事

故人をしのびながらの食事の機会が設けられることがあります。

プロテスタントの葬儀では、しばしば会食が行われ、参列者が共に食事をしながら思い出を分かち合います。

プロテスタントの葬儀にかかる費用相場は？

プロテスタントの葬儀にかかる費用は、一般的な葬儀と比較して比較的リーズナブルです。

葬儀の費用は参列者の人数や葬儀のスタイルによって変動しますが、全国平均額では195万7,000円とされています。プロテスタントの葬儀は、信者以外の人々も参列できるため、親しい友人や同僚などが多く参加することがあり、費用もそれに応じて変動します。

しかし、一般的な葬儀と比べて経済的な負担が軽減される傾向があります。

まとめ

プロテスタント式の葬儀は、キリスト教のなかでも柔軟性があり、信者以外の人々の葬儀も行うことができる特徴的な儀式です。仏教やカトリックの葬儀とは異なる作法やマナーがあるため、参列する際には注意が必要ですが、明るく前向きな雰囲気が重要視されることが特徴です。プロテスタントの葬儀に参列する際には、ここで紹介した作法やマナーを守ることで、故人への最後の別れを尊重し、参列者として適切な振る舞いができるでしょう。