家族葬は、親しい家族や友人のみが集まり、故人を静かに見送る形式の葬儀です。しかし、適切な人数や参列者を決める際には、家族の希望や故人の意向、また地域の習慣や費用面も考慮する必要があります。本記事では、家族葬における参列者の選び方や人数設定のポイントについてくわしく解説します。
家族葬とは?定義・特徴を解説!
通常の葬儀が親戚や職場関係者、知人など広範囲の参列者を招くため、参列者の数が50人以上になることも少なくありません。
葬儀の形式も、伝統的な儀礼を重視し、厳粛な雰囲気の中で執り行われます。一方、近年注目を集めている家族葬は、故人の近親者や親しい友人など、20~30人程度の限られた人数で執り行う小規模な葬儀形式です。
伝統的な葬儀とは異なり、遺族の意向を強く反映できるため、より故人に寄り添ったあたたかい送別の場を設けることが可能です。「家族や親しい友人だけで故人を見送りたい」と考える遺族におすすめといえます。
家族葬を行うメリット・デメリット
家族葬は近年、日本でますます普及している葬儀の形態です。
ここでは、家族葬のメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
家族葬の大きなメリットとして挙げられるのは「費用の削減」です。
参列者が限られているため、大規模な会場の確保や供花、返礼品の数を抑えることができ、全体的な費用を低く抑えることができます。また「準備の負担」も軽減されます。少人数のため、葬儀の進行や会場の設営にかかる時間や労力が少なくて済み、遺族の心身の負担を軽くすることができます。
さらに、家族葬は「プライバシーが保たれる点」でも魅力的です。限られた身内だけで故人を偲ぶことができ、他者の目を気にすることなく、より親密な雰囲気で葬儀を行うことができます。このような環境なら、あまり堅苦しくなく、形式にとらわれない柔軟な進行がしやすくなるでしょう。
デメリット
当然、家族葬にはデメリットもあります。
まず「参列者の範囲を決定するのが難しいこと」が挙げられます。誰を招くべきか、という線引きは難しく、これが原因で後々のトラブルにつながることもあります。
加えて「社会的なつながりが希薄化する」という問題もあります。家族葬では少人数しか参列しないため、故人が築いた社会的な功績や人間関係を広く知らせることが難しくなるでしょう。
これに関連して、参列できなかった人々との関係が悪化したり、香典の扱いをめぐる問題が発生する恐れもあります。さらに家族葬は、広く参列者を募る一般葬儀とは違い、家族葬では限られた人数でしか故人を偲ぶことができません。そのため「供養の機会が減少する」というデメリットもあります。
家族葬の適切な人数と参列者の範囲
家族葬は、故人や遺族の意向を最優先にした葬儀形式であり、その参列者の人数と範囲を慎重に決めることが求められます。
参列者数は、一般的に20~30人が平均的とされていますが、これはあくまでひとつの目安です。実際の参列者数は、故人の家族構成や社会的立場などさまざまな理由によって大きく異なります。
家族葬の規模
家族葬の規模は、以下のように分けられます。
まず、10人以下の小規模な葬儀では、もっとも親しい家族のみが集まり、20~30人程度の標準的な規模では、近親者や親しい友人で執り行います。40~50人程度とやや大規模なものになると、親戚や職場関係者も参列することもあるでしょう。
このように、参列者数は故人との関係性や遺族の心情を第一に考慮しつつ、社会的な配慮も踏まえて決めることが大切です。
参列者の範囲
参列者の範囲としては「2親等以内の親族」が基本です。
具体的には、配偶者や子供、その配偶者、孫、両親、兄弟姉妹とその配偶者、祖父母が該当します。しかし、これも絶対的な基準ではありません。とくに親しかった友人や故人が生前お世話になった人々が含まれることもあります。重要なのは、故人との関係性や遺族の意向を尊重することです。
まとめ
家族葬は、故人や遺族の意思を大切にし、個々の状況にあわせた形で行える葬儀のひとつです。そのため、参列者の選定や葬儀の内容について、遺族が自由に決められる点が大きな魅力です。家族葬を選ぶ際は、メリットとデメリットを踏まえ、故人との関係性や葬儀の規模、遺族の意向など総合的に考慮したうえで、最適な形で送り出すことが求められます。