「家族葬」にはどんな準備が必要？費用を抑えるコツも紹介

家族葬は、親族やごく近しい人たちのみで行う小規模な葬儀のことです。形式にとらわれず、落ち着いた雰囲気で故人を見送りたいという方に選ばれています。一般葬とは異なる点も多数。この記事では、家族葬の基本的な流れや準備内容、費用を抑えるコツについてわかりやすく解説します。

家族葬とは？特徴と一般葬との違い

家族葬は、参列者を家族や親族、親しい友人などに限定して行う葬儀の形です。一般葬のように多くの弔問客を迎えることがなく、身内中心で落ち着いた時間を過ごせる点が特徴です。

一般葬との主な違い

一般葬では会社関係者や友人など多くの人が参列しますが、家族葬では10～30名程度の小規模な式が中心です。そのため、受付や会葬返礼品の準備などが簡略化でき、故人との別れにゆっくりと時間を割けます。

また、会場の広さや祭壇の規模も小さくなるため、費用面でも負担を軽減できることが多いです。

家族葬が選ばれる背景

近年は「葬儀は小さくても心のこもった式にしたい」という価値観の広がりやコロナ禍による参列制限の影響から家族葬を選ぶ人が増えています。参列者への対応に追われることが少ないため、遺族の心理的な負担も軽減されます。

家族葬の準備でやるべきこと

家族葬は規模が小さいとはいえ、事前準備を怠るとスムーズに進行できません。ここでは、主な準備内容を確認しておきましょう。

葬儀社の選定

まずは、家族葬に対応している葬儀社を選びましょう。見積もりの際にはプランの内容を細かく確認することが重要です。祭壇や棺、遺影写真、会場使用料、火葬費用など、基本料金に何が含まれているかを明確にしておくと後のトラブルを防げます。

参列者の範囲を決める

家族葬では「誰を呼ぶか」を明確にしておくことが大切です。親族の範囲をどこまでとするか、友人や近隣の人を含めるかなど、家族内で話し合っておきましょう。

招待範囲をはっきりさせておくことで、香典や弔電の対応もスムーズになります。

日程・会場の決定

葬儀社と相談しながら、火葬場や式場の空き状況を確認して日程を決めます。自宅葬、葬儀会館、寺院など、どの場所で行うかも検討しましょう。近年は、少人数専用のホールを用意している葬儀社も増えています。

僧侶への依頼と宗教的準備

宗教儀式を行う場合は、菩提寺や僧侶への連絡も必要です。読経や戒名授与の有無など、宗派によって流れが異なるため、早めに確認しておきましょう。

家族葬の費用相場と抑えるコツ

家族葬の費用は、一般的に50万円から150万円程度が相場といわれています。内訳としては、葬儀基本料・火葬料・祭壇費用・会場使用料・返礼品や飲食費などが含まれます。

費用を抑えるポイント

1つ目は、プラン内容を比較して必要のないオプションを削減することです。とくに、花祭壇のグレードや装飾のボリュームを調整することで費用を大きく抑えられます。

2つ目は、会食を省略または簡易的にする方法です。家族葬では親族のみの参列が多いため、軽食や仕出し弁当を選ぶケースも増えています。

3つ目は、香典返しや会葬礼状を後日まとめて送る「後返し方式」を採用すること。無駄な数量を抑えられ、費用管理がしやすくなります。

補助金や給付金を活用する

自治体によっては、葬祭費用の一部を補助してくれる制度があります。国民健康保険や社会保険に加入していた場合は「葬祭費」「埋葬料」として1万円～5万円程度が支給されることもあります。申請期限が決まっているため、早めに手続きを行いましょう。

まとめ

家族葬は少人数で故人を静かに見送る葬儀の形です。一般葬と違い、参列者の範囲や費用の内訳を事前にしっかり確認する必要があります。費用を抑えるには必要なサービスを選び、補助金を活用しましょう。親族間での意思統一もトラブル防止に重要です。たとえば、参列者が少ない分、葬儀後に訃報を知らなかった人が困らないよう、後日お知らせを出す配慮が必要です。香典辞退をする場合は事前に明記して混乱を防ぎましょう。形式にとらわれず、家族全員が納得できる温かな葬儀を計画することが大切です。