葬儀は一般的に、仏教などの宗教形式をとることが多いですが、宗教にとらわれない自由な形式の無宗教葬儀も増えています。しかしながら、無宗教葬儀とはそもそも、どういった葬儀なのかわからない人も多いでしょう。今回の記事では無宗教葬儀がどういう葬儀であるかに加えて、大まかな流れや注意点についても解説します。
無宗教葬儀とは?
無宗教葬儀とは宗教や宗派にとらわれずに行う葬儀です。一般的な葬儀ではそれぞれの宗教や宗派によって葬儀の内容が決まっていますが、無宗教葬儀は決められた形式がありません。無宗教葬儀は自由葬と呼ばれることもあり、故人と遺族の希望を反映した、自由な葬儀となります。
仏教の葬儀では読経がおこなわれることが多いですが、無宗教葬儀では代わりに黙とうをするなど、自由にプログラムを組めます。無宗教葬儀は故人や遺族の気持ちを反映しやすい自由な葬儀にできることが、一般的な葬儀と比べたメリットとなります。
無宗教葬儀の大まかな流れを確認しよう
無宗教葬儀は自由な内容となり、決まった流れもとくにありません。大まかな流れの一例として、通常の葬儀を踏襲した流れを以下のとおり、紹介します。
参列者入場
参列者が入場し、決められた席に座ります。どこに座ればいいか迷う参列者も出てくるため、入場前に参列者の席を確認できるように配慮しておくと良いでしょう。入場時に故人の好きな音楽をBGMとすることがあります。
開式言葉
参列者の入場が終わったら、司会者から開式を告げます。開式の際に、無宗教葬儀とした背景を添えておくと良いでしょう。
黙祷
司会者からの開式の言葉が終わったら、全員で黙祷を捧げます。
献奏
無宗教葬儀では読経がない代わりに献奏を行います。例としては、故人の思い出に浸る動画を再生する、故人が好きな音楽を流す、生演奏するなど自由です。
お別れの言葉
参列者から故人へお別れや感謝の言葉を告げます。仏教やキリスト教でおこなわれる弔辞に近いものです。お別れの言葉は参列者全員で行うなど、自由に故人への気持ちを伝えることができます。
献花
仏教では焼香になりますが、無宗教の葬儀では献花を行うことで故人を弔います。花の種類は故人の好みに合わせて選ぶこともあります。
閉式の言葉
最後に喪主挨拶がおこなわれます。挨拶の内容としてはおもに参列者への感謝となります。出棺をおこなう場合は、出棺後に火葬場へ向かいます。
会食
一般的な葬儀と同様に近親者で会食します。
無宗教葬儀を行う場合の注意点
無宗教葬儀は、自由な葬儀内容にできる一方で、以下のような点に注意する必要があります。
親族の承諾をもらう
無宗教葬儀は少数派であるため、事前に親族の理解を得ておく必要があります。親族も一般的な葬儀をイメージしていることが多いため、事前相談無しの無宗教葬儀となると、親族とのトラブルに発展する可能性があります。無宗教葬儀とする場合は親族などの近親者とよくコミュニケーションを取ったうえで、了承を得ることが大切です。
内容を具体的に決めておく
無宗教葬儀は内容を自由に決めることができますが、具体的な内容を決めておかなければなりません。故人や遺族の希望を事前に葬儀社側に伝えておき、入念な打ち合わせが必要となります。
納骨方法を考えておく
無宗教葬儀とした場合、先祖のお墓がある菩提寺でも供養を断られる可能性があります。宗教葬儀とした場合は事前に菩提寺に伝えておくことで納骨時のトラブルを回避できます。事前に相談したうえでも、納骨を断られた場合に備えて、他の霊園や納骨堂を探すなど準備しておくと安心です。
無宗教葬儀では故人や遺族の気持ちを反映した自由な葬儀にできますが、親族や菩提寺へ事前に相談しておかなければトラブルにつながります。無宗教葬儀の自由であるメリットを活かしつつ注意すべき点をおさえておくことで、希望通りの葬儀となるでしょう。