曹洞宗(禅宗)葬儀は、日本の伝統的な葬儀の一つで、その流れや特徴、マナーには独自の要素があります。この記事では、曹洞宗の葬儀に焦点を当て、その基本的な情報やマナー、式次第について詳しく解説します。曹洞宗の葬儀は、故人を送り出す重要な儀式であり、その神聖さと格式の理解が大切です。
曹洞宗の葬儀の流れと特徴は?
まずは、曹洞宗の葬儀の流れや特徴・式次第について見ていきましょう。
曹洞宗の葬儀の流れ
・葬儀前の準備
曹洞宗の葬儀では、故人の遺体を安置し、葬儀の日程や内容を決定します。
とくに、禅寺における葬儀の場合、精神的な準備も重要です。遺族と共に故人の遺志を尊重し、葬儀の形を決定します。
・葬儀当日
葬儀当日には、通夜や葬儀が行われます。
参列者は故人に対する最後の別れを告げ、お経の朗読や焼香が行われます。曹洞宗の特徴として、静かな雰囲気があり、故人への敬意を大切にします。
・葬儀後の手続き
葬儀後、火葬許可証や埋葬許可証の取得、遺族の年金申請などの手続きが行われます。
また、四十九日法要として故人の冥福を祈ることもあります。葬儀後は、故人の魂を導き、冥福を祈ることが中心です。
曹洞宗の葬儀の特徴・式次第は?
曹洞宗の葬儀は、禅宗の影響を受けており、静かで落ち着いた雰囲気が特徴です。
簡素でありながら、故人への敬意を大切にし、精神的な面に焦点を当てます。この特徴は、日本の伝統的な葬儀文化に根付いています。曹洞宗の式次第は 、 仏式葬儀における儀式の進行手順を指します 。 一般的な仏式葬儀において、 曹洞宗の場合は以下の手順があります。
・枕経
遺教経または舎利礼文を3回読んで回向します 。 これは釈尊の最後の説法に関する経典です 。
・通夜諷経
修証義や父母恩重経などの経典が読まれます 。
・葬儀式
剃髪の儀: 死者を仏門に入らせるための受戒作法が行われます 。
・授戒作法
懺悔文を唱え 、 三帰戒を授けます 。
・入龕諷
棺に納める儀式で 、 陀羅尼と回向文が唱えられます 。
・大夜念誦
葬儀前の夜に行われ 、 今は入龕諷経に続いて読まれます 。
・挙龕念誦
棺を起こして葬場に向かう前に唱えられます 。
・引導法語
導師が法炬を手に取り 、 故人を仏の世界に導くための法語を唱えます 。
・山頭念誦
火葬場で行われ、故人に火葬することを告げ、悟りを願います 。
これらの手順に従って、曹洞宗の仏式葬儀が執り行われます 。
「曹洞宗のお葬式」の基本知識とマナー
曹洞宗のお葬式に参列する際、お布施や香典の基礎知識について正確に理解することが重要です。
こちらでは、曹洞宗の葬儀におけるお布施と香典について、詳しく説明します。
お布施の特徴と書き方
葬儀時のお布施は感謝の意を表す大切な行為です。
曹洞宗では、御布施またはお布施と記載された表書きを使用します。包む際は奉書紙か無地の封筒が選択できます。筆ペンは濃い墨のものを用い、氏名は袋の下半分に中央配置します。
香典の特徴と書き方
香典袋は御霊前または御香典と記載し、白黒か双銀の水引の不祝儀袋を使用します。
氏名は袋の下半分に、住所や金額も漏れないように記入し、薄墨の筆ペンを使います。金額は関係性に応じて1万円から10万円、会社関係者には5,000円程度、友人には5,000円から1万円が相場です。
曹洞宗の葬儀作法とは?葬儀を営む際の注意点
曹洞宗の葬儀では、禅宗の教えに基づいた作法があります。
葬儀を営む際の注意点を以下に示します。
焼香の作法とマナー
曹洞宗の葬儀において、焼香の儀式は以下のような作法で行われます。
・焼香台に向かって進みます。
・焼香台の2、3歩手前で足を止め、遺影や位牌に軽くお辞儀します。
・続いて、右手でお香をしっかりつまみます。
・左手を添えて額に香炉を押し当て、心を込めて念じながら焼香を行います。
・1度目に焼いたお香のそばに、2度目の焼香をします。
・両手に数珠を持ち、合唱や礼拝を行います。
曹洞宗の焼香では、2度目の焼香の際に香炉を押さないのがマナーです。
ただし、式の進行によっては1回とアナウンスされる場合もあるため、その場合は進行に従って行動しましょう。
曹洞宗葬儀の費用全般
曹洞宗の葬儀費用は一般的な葬儀より高額です。
葬儀一式費用、飲食接待費用、寺院費用に分かれ、それぞれに異なる相場があります。葬儀一式費用は約131万円、飲食接待費用は約25万円、寺院費用は約35万円が一般的な相場ですが、条件によって金額は変動します。
まとめ
曹洞宗の葬儀は、伝統と精神的な価値を重視したものであり、参列者にとっても重要なイベントです。この記事では、曹洞宗の葬儀の流れ、特徴、マナーについて詳しく解説しました。葬儀を通じて、故人への感謝と冥福を願う大切な儀式であると理解し、心静かに参列しましょう。曹洞宗の葬儀は、日本の伝統を守りつつ、故人を送り出す尊い儀式です。しっかりとしたマナーを知ったうえで、適切に故人を送り出すことに努めてください。