自分が亡くなった後のことを考えると、お墓はどこにしようか迷いますよね。少しでも元気なうちにお墓を用意しておいたほうが何かと安心です。そうはいっても、墓地・墓所・霊園とはどのような違いがあるのでしょうか。今回はお墓の準備をしたい方に、墓地の概要と墓地の種類別のメリット・デメリットについて説明します。
墓地・墓所・霊園の違いとは
普段何気なく、墓地・墓所・霊園という言葉を使っていますが、明確な違いはあるのでしょうか。ここでは、違いについて説明します。
墓地は広義にはお墓が集まっている場所、お墓そのものを指します。お墓を設けるために、自治体に届け出をして許可を受けた土地のことです。“墓地、埋葬等に関する法律施行細則の第二条”で定められています。
墓所はお墓全体のことを呼ぶ場合もありますが、通常は墓地の中のお墓を建てるために個別に仕切られた区画(スペース)のことをいいます。墓地の中に霊園墓地(民間霊園・公営霊園)と寺院墓地があり、それぞれの墓地に墓所があるイメージです。
霊園は、お寺に属している寺院墓地以外の墓地を意味します。法律ではとくに定義されておらず、広い土地を公園のように整備されている場合が多いです。霊園には民営霊園と公営霊園があります。宗教色が薄く、宗派を問わないところが多く、自由に利用できるイメージがあります。
墓地には3つの種類がある
墓地を運営形態別に分類すると、3種類に分けられるのです。地方自治体、宗教法人、公益法人の墓地です。こちらも“墓地、埋葬等に関する法律施行細則の第二条”に定められています。もう少し詳しく説明すると次の3つに分類されます。
1.宗教法人が経営、民間会社が管理運営する
2.宗教法人が経営・管理・運営する
3.自治体が経営し、民間の指定業者が管理運営する
民間の霊園は1にあてはまり、宗教法人などが経営し、石材店などの民間業者が運営・管理をしているのです。公益法人が経営主体の場合もあります。寺院墓地は2に当てはまり、寺院が経営主体であり、運営・管理も兼ねています。3にあてはまるのは、公営霊園や墓地です。自治体が経営し、民間の指定業者が管理・運営を行っています。
種類によるメリット・デメリットの違い
民間霊園、寺院墓地、公営霊園の3つの種類のメリット・デメリットを説明します。
民間霊園
メリットは宗旨・宗派を問わない場合が多く、希望するお墓のタイプを選べる傾向にあるところです。デメリットは、公営霊園より価格が高くなる傾向があることです。
寺院墓地
メリットは宗派の定まっている寺院によって、葬儀や法要などの手厚い供養を受けられるところ。デメリットは、宗旨や宗派が限定され、檀家になる必要がある寺院が多いことです。檀家は、寺院の修理などの費用を負担する場合があります。
公営霊園
メリットは、宗教が自由で公営なので倒産リスクが低く、安心感があることです。デメリットは、住民票がある自治体が条件で、抽選に申し込む必要がある場合が多いことです。
自分に合ったお墓を建てるときのポイント
自分でお墓を選ぶときのポイントとしては、宗教や立地条件、お墓のタイプ、予算、周辺環境などを考慮するとよいでしょう。宗教にこだわりがなければ民間霊園、公営霊園が候補のひとつです。立地条件は、駅からの近さや駐車場の有無で、お参りしやすい場所を選びましょう。
お墓のタイプは、継承者がいない場合は永代供養墓のある寺院墓地や民間霊園などを選びましょう。あとは、自分が出せる価格帯のお墓を選びます。お墓の価格は永代使用料、管理料、墓石代、広さなどで決まります。環境は現地で墓地内外の雰囲気や管理状況などを見学してみることが肝心です。
まとめ
ここまで、墓所・墓地・霊園の違いやメリット・デメリットについて説明しました。お墓選びは一生に何度もありません。後悔しないために、パンフレットを取り寄せたり、墓地のホームページをよく見たりして比較検討してみましょう。家族と一緒に現地を見学することもおすすめです。