葬儀後、社会保険や金融関連の手続きはどうすればいいの？

家族が亡くなった後は、葬儀までやらなければいけないことばかりです。社会保険や年金、金融機関での手続きを進める必要があります。葬儀後の手続きは煩雑で、期限も定められているので、スムーズに進めるための準備が重要です。当記事では、必要な手続きの流れや注意点をくわしく解説します。

葬儀後に必要な手続きは？必要書類も解説！

葬儀が終わった後、おもに以下の4つの手続きが必要です。

以下の手続きは故人の逝去後、2週間以内に行う必要があるため、遅れずに対応しましょう。

年金受給停止の手続き

故人が年金を受給していた場合年金受給権者死亡届を提出し、年金受給停止の手続きを行う必要があります。

手続きの場所や期限は年金の種類によって異なります。国民年金の場合は住所地の市町村役場にて死亡日から14日以内に、厚生年金の場合は社会保険事務所にて死亡日から10日以内に手続きを行います。

必要書類には年金受給者死亡届、故人の年金証書、戸籍抄本、死亡診断書のコピーなどが含まれます。未支給の年金は、故人と生計をともにしていた遺族が受給できるため、年金受給停止の手続きと同時に未支給年金請求の届出も忘れずに行います。

介護保険資格喪失届

故人が65歳以上、または40歳以上65歳未満で要介護認定を受けていた場合は、介護被保険者証の返還手続きを行います。

変換手続きは、市区町村の福祉課などの窓口で介護保険資格喪失届と介護被保険者証の提出により行います。手続きの期限は死亡日から14日以内です。介護サービスの利用停止も必要になるので、関連する事業者へ連絡を忘れないようにしましょう。

住民票の抹消届

お近くの役場で住民票抹消届を提出すれば完了です。

通常は死亡届の提出で住民票の抹消は自動的に行われるため、とくに手続きをする必要はありません。しかし、故人が世帯主であった場合は、世帯主変更届の提出が必要です。

世帯主変更届は、死亡日から14日以内に市町村役場の戸籍・住民登録窓口で、届出人の印鑑と本人確認書類を添えて提出します。

国民健康保険の脱退手続き

故人が国民健康保険に加入していた場合、死亡日から14日以内に国民健康保険の脱退手続きを行います。

市区町村の国民健康保険窓口にて国民健康保険異動届（資格喪失）と故人の国民健康保険証の原本を提出します。

遺族年金・社会保険の手続きで注意したい点

故人が亡くなったら、速やかに遺族年金や社会保険に関する手続きが必要です。

遺族年金の申請には年金手帳、故人の住民票、遺族の銀行口座情報などが求められます。故人が健康保険や厚生年金に加入していた場合も、手続きが必要です。

もし、故人が会社員であった場合は、職場を通じて社会保険に加入していたケースが多く、その場合は職場の担当者に連絡して手続きを進めるのが一般的です。一方で、故人が自営業者やフリーランスであった場合には、国民健康保険や国民年金の手続きを自ら行わなければなりません。

遺族年金、社会保険の手続きを円滑に進めるには、故人の保険証や年金手帳など必要書類の事前整理が大切です。手続き方法がわからなければ、市町村役場や社会保険事務所の窓口、あるいはインターネット上の公式情報を確認してみましょう。

金融関連の手続きも忘れずに済ませよう

葬儀が終わるとすぐに直面するのが、遺産整理や金融機関の手続きです。

適切に進めなければ、後々のトラブルにつながる可能性があるため、次では金融関連の手続きについてくわしく説明します。

遺産整理・遺産の確認

故人財産の把握は遺産整理の第一歩です。

不動産や現金、株式、保険など、故人が保有していた財産の内容を確認し、必要な書類をそろえます。たとえば、不動産がある場合には、固定資産税評価証明書や相続証明書が必要です。

また、遺言がない場合は、相続人同士で話しあって相続分を決定し、公正証書遺産分割協議書の作成が望ましいです。遺産分割が完了した後は、登記簿の名義変更や相続税の申告も忘れずに行います。

銀行口座・証券会社での手続き

故人の銀行口座は死亡が確認されると凍結されるため、相続手続きが必要です。

手続きには、死亡証明書や戸籍謄本、相続人全員の同意書などの提出にくわえ、相続人全員の身分証明書や印鑑など事前の準備が大切です。また、証券会社の手続きは銀行よりもやや複雑で、個人情報保護の観点からも慎重に進める必要があります。

株式や投資信託のような有価証券を保有している場合、相続人が正式に決定した後で、移転登録の手続きを行います。移転登録の手続きにも、相続人全員の同意書や各種証明書が必要です。必要な書類がそろっていないと、手続きが遅れたり、追加の費用がかかる可能性があるので注意しましょう。

まとめ

家族が亡くなったら、迅速に各種手続きを進め、必要書類や手続き先を事前に確認し、準備を整えておきます。必要な印鑑や本人確認書類、故人の関係書類を準備しておくとスムーズに進行できます。また、社会保険や金融関連の手続きは一度で完了するものではなく、時には専門家の助けを借りる必要があります。税理士や弁護士に相談することで、手続きをよりスムーズに進められます。